K's Big Chance ~ Fuwaku - Monologue

2/14/2012

哲学堂公園にちょっとびっくり!

Uchu_kan

土曜日は、久しぶりの「長征」を敢行。

 ここのところの冷え込みですっかり出不精になってしまっていたが、気分転換とリフレッシュを兼ねて、これまであまり歩いたことのない中野方面に出かけて見ることにした。



まずは、中野駅近くの北野神社を始点として旧鎌倉街道らしき道を進み新井薬師へ向かう。

新井薬師は以前一度訪れたことがあるような気もするが…もっと大規模な仏閣かと思っていたのだがそれほどでもない印象。とはいえ、心を正してお参りをする。

その後はバス通りをしばらく進むと妙正寺川へ突き当たる。その橋を渡ると哲学堂公園。公園ではあるが、ここは鎌倉時代には和田某という武将の城があった場所とか。



 で、明治時代に東洋大学の創立者である井上圓了が哲学修養の場として開いたところだ。これがなんともワンダーランド、いや哲学テーマパークなのである。

そこに設けられた池や橋、そして階段や道に至るまで哲学にまつわる名前が付けられ、さらには独特の哲学思想による建築物が配置されている。

この建築物がただごとではない。これまで見たことない用な独特の様式となっている。とはいえ、著名な神社仏閣の社殿や伽藍のような荘厳さや重厚感は感じられないが、なんとも摩訶不思議な雰囲気を漂わせているのである。



Uchu_kan そして、それぞれに独自の哲学思想が込められており、建物の前にはそのことを開設するパネルも立てられている。

特に気になったのは「宇宙館」と名付けられたもので、「角入り」とでも呼べばいいのだろうか…矩形の角の部分に入口が設けられ、さらにそこに向拝のような屋根がある。初めて見る作り。内部にも「皇國殿」なる特殊構造があり、哲学堂の本殿としての役割を持っているとのことである。



その他、聖徳太子を始めとする「東洋的六賢人」を祀る「六賢臺」と呼ばれる党、「無尽蔵」なるコレクション展示場、「絶対城」という図書室など、哲学思想を縦横無尽に駆使した建物が配置されている。


残念ながらその内部は今回見ることは出来なかったが、春と秋に無料公開されているようなので、是非その機会に訪ねて見ようと思っている。

最後に突き当たった説明パネルによると圓了先生は、「哲学堂」を哲学を仏教的な宗派として捉え、哲学宗の本山、道徳山哲学寺と呼んでいたとのことである。確かに仏閣の伽藍的配置と言われればそんな雰囲気も漂っていないでもなかった。



さらに、そこに住み着いていると思われる猫もあたかも「考える猫」のごとき様相を呈していた。なんとも驚きの哲学堂公園であった。

その後は、すぐ近くにある昭和5年に作られた「野方給水塔」を見て、再び南下し妙正寺川沿いを少し歩き、新青梅、中杉通りを経て中央線沿いを進み荻窪へ戻るという行程をとった。4時間弱、約12kmの全行程だった。



中野・野方近辺の幹線道路を離れたところは、昔の生活道路の名残が色濃く、道がやたらと斜めや複数交わり、なななか複雑な印象。どこか遠くに来たように感じられたりしたのも面白い。少しつかれたが、とても充実した一日であった。 そして、哲学堂について新たな興味がわいてもきた。



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2/08/2012

高音質音楽再生ソフトAudirvana


Audirvana

一昨年の秋の潜行と昨年夏の沈没に近い状態から、正直情けない話であるが、なかなか再浮上のきっかけをつかめないままで今日まできてしまっている。

とはいえその間は、Twitterでほそぼそと近況などを吐露しながらきている。それもあってBlogの更新がおろそかになると共に、 怠けごころに覆われて本格的な浮上とまでは至っていない始末である。
そんな言い訳を書き連ねても意味が無いので、久しぶりにBlogとしての更新に臨むことにしよう。

さて今回のネタは、Macの音楽再生ソフト"Audirvana Plus"である。ゆっくりと音楽を聴く余裕のない日々、そのうえオーディオを置いた部屋のエアコンもクラッシュしで、さらにまともな音楽生活?からは程遠い。

そんなこんなでもっぱらKenwood MG-F508で移動時の音楽生活がメインである。とはいえ、ここのところCDはコンスタントに増え続けている。
その増え続ける音源を聴かないでは勿体ない。そこでiTunesから解放されたいと、Mac向けのあんばいのよろしい音楽再生ソフトを探してみた。

ありました!その名は"Audirvana Plus"。この「Plus」はiTunesと連動できる機能が付いた(それだけではないらしい)有料版を意味する。もちろんFreeの「Plus」なしバージョンも存在している。そこで、まずは「なし」バージョンで試してみた。

まあ、高音質で音楽を愉しむというならば、MP3形式のファイルを再生するというのもどうかという説もないでもないが、これまで手持ちのCDからのリッピングファイルはMP3としてきたため、そう簡単に高音質のファイルに変更するわけにもいかないのである。

Audirvanaは、FLACなどのフォーマットを再生してこそとの意見もあるだろうが、今までiTunesでは音楽を聴くという気にならなかったので、それを少しでも打ち破ろうという気にさせたのも事実。

Web上で高音質再生ソフトを検索、いくつかの記事を見てとりあえずFreeの「なし」 バージョンを試してみた。
起動するとちょっと垢抜けないオーディオアンプのようなプレーヤが画面に登場する。実は、ライバル?のFideliaも少しばかりゴウジャスなプレーヤが現れる(コチラはサイズを変更できる)。欧米人は、完全にMacを音楽の再生機と考えてそんなインターフェイスにしたらしい。

まあ、とりあえず再生してみるとこれが、MacBook Proのスピーカーでもはっきりと分かるほどの違い。iTunes(それだけのせいではないんだろうけど)の音が悪すぎることもあってか、クリアでダイナミックな音に早変わりである。なんだか、これまで聴いていた音が間違いのような気がするほど、ヘッドフォンで聴いてみるとさらに違いは明らかである。

オーディのマニアな人に是非などとおすすめする気は大きなお世話なので、毛頭ない。「音なんて鳴ってればいいんだよ」という人に試してもらいたい、せっかく自分の好きな音楽を聴くんだから少しでもちゃんとした音で聴いて欲しい(これこそ、大きなお世話か)。

フリー版は、iTunesで管理している音源を読み込んでからでないとダメだし、そのインターフェイスもiTunesとは程遠いので、これまでの試してきた"Sonngbird"などと比べても慣れないと使いづらいかもしれない。

しかし、iTunesなどでは味わえない気持ちよさ。実は、Mac独特のCoreAudioという部分をスルーして音を鳴らしているとのこと。この辺を詳しく知りたい人はネットを検索してね。ここでその仕組みを説明して理解したからといって音が更に良くなるわけではないので、興味を持たてた方は、理屈は置いといてまずは騙されたと思って体験してみましょうよ(とはいってもMacユーザのみですが)。

結局、数日間使ってみて少し悩みはしたが、iTunesとの連動が捨てがたく「Plus」を購入した次第である。これで自分のMacBook Proから音楽がなることが増えたのは間違いない。

やっぱり好きな音楽を聴くと和むよな~。それもあってBlogを更新する気になったのかも、少し前向きにいくか。




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1/01/2012

2012年がやってきた

A Happy New Year
明けましておめでとうございます。
昨年は一昨年以上に色々と厳しい一年だった。

Blogもまともに更新せず、不条理な仕事相手の要求に振り回され、かなりメイル日々が続いた。10月すぎから少し落ち着きは取り戻したものの、そのしわ寄せでなんとなくすんなりと行かないままであった。 
  まあ、そうはいっても震災にあわれた方々からみれば…である。そう考えて前向きにしたいと思う新年である。

新たな年を迎えたこともあり、心機一転Blogの更新にもなるべく取り組んでいきたいところ…。 
前向きに「笑う門には福来る」ということで、本年もよろしくお願いします。

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10/01/2011

新潟…方角が悪い?

 これまでアリジゴクのような発注元担当者につかまってしまい、3ヶ月以上にわたって後ろから砂をかけられ、すり鉢の底に落ちてはなんとか登り、そして砂をかけられずり落ちてを繰り返してきた。
 それもやっと終わりをむかえることができた。多少の業務は残っているものの実質的に終了。

 実は、この仕事は場所としては新潟。昨日から別の仕事で3日間新潟、これがなんと100%の偶然。
 昨日午後に新潟入りしたときには、すっかり雨模様。今日、明日とは屋外が絡んでくるので、なんとか天候の回復を祈っていたのであるが、本日は何とか雨は降らずに予定を消化。
 特に明日は終日屋外ということもあり、はっきりしない天気予報が恨めしいところである。しかしながら、新潟入り前の予報からするとどうなることかと思ったことを考えれば、ずいぶん良い方へブレてくれたと思っている。

 実は、昨日の朝出勤前のつれあいに「天気が悪そうで困った。前の仕事に続き新潟は方角が悪いんとちゃうかな…」とぼやいたのである。それに対して返ってきたのは「これからは、いい方角になるのかもよ」との言葉であった。
 そのかなり前向きな言葉に背中を押され新潟にやってきたが 、その言葉に沿うように少しづつ良い方へ行っている気もする。

 まあ、そこいらのところは気の持ちようというところもあるが、せっかく縁のあった新潟である。こちらもそのつもりで「いい方角」にするようにせねばと思うところである。

 まあ、浮上に向けた第一弾としては、前向きな内容となったところでヨシとしたい。

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9/19/2011

ゆるやかに浮上を

 潜行となって2ヶ月。なんとかトンデモな仕事に目処がつきつつある。
 20年以上この仕事をしてきたが、こんな状態はまったく初めての経験である。

 昨年の10月の事態は、こちらのミスもあったが十分に取り戻せる目論見があった。しかし、今回はまったく相手とのやり方が見えないままに泥沼に…。
 何をどうしたらいいのかまったく方策の見えない状態となってしまった。

 本当に協力してくれている各方面に迷惑のかけっぱなし、そのスタッフたちもなんとなく理解をしていただいたようで、なんとか乗り越えられそうなところまでこぎつけることができそうである。

 そういった状況をご報告すると共に、今後のゆるやかな浮上を目指すといったところである。

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7/26/2011

再び潜行中

 まったく、明るい兆しが見えてこない。
 本当に世の中には合わない人がいるもので、何をやっても気に入らなかったり、何かと難癖をつけられたり…。まあ、こうなってくるとこちらにも被害者意識がむくむくと頭をもたげてきて、いじめ的な展開に感じられてくる。

 謝りの連絡をいれると、「無理は承知なんだから…いってくれれば」などというのだが、そこまでくるところでこちらにそんなことをいわせてもらえるようなシチュエーションは用意されていない。
 どうやらこちらサイドの仕事がわかっていないような気がしてきた。

 なんとかあと2ヶ月、辛抱しながらやっていくしかない。そこはオ・ト・ナなんだから…とは思うものの、かなりキているのは確かだ。
 このBlogもまったく手が付けられない。昨年の10月の潜行に続き、再度の潜行となっている。
 今回は、息継ぎに浮上して呼吸ならず、ガス抜きというわけである。

 まあ、このBlogを読んでいただいている少数の方々に対するご報告ということで…。なんとかサイドの浮上を目指します(決意表明)。

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6/21/2011

同世代の人間の死

 昨日の早朝昨年暮れから入院していた職場の人間が亡くなった。早すぎる同年代の人間の死は、結構堪えるものだ。
 昨年暮れから入院していたのだが、それさえもひと月半ほど前に知ったような状態で、まさかそんなに悪いとは…。

 確かに昨年秋頃に本人が首の具合が悪いと言っていたのを聴いた記憶もあるが、昨秋といえばこちらもどん底に落ち込んでいたところで、人事ではなかったこともあって、彼の入院にまで気がまわっていなかった。
 どうやらリンパ節のガンのようで、進行がはやかったのかも知れない。そのうえ、酒が好きで日頃からよく呑んでいたこともあり、肝臓なども幾分弱っていたとのことで、治療を速やかに進めることが難しかったとも聴いている。

 どちらにしてもここまで悪いとは思いもしなかったし、かなり悪くなったと知ってはいたが、ここのところの忙しさもあって見舞いに行けていなかったことは、残念だし、無念でもある。
 かなり音楽も好きだった彼のこと、安らかな眠りと旨い酒でも呑みながら渋めの音楽を存分に聴いて欲しいものである。
 
 地震以後の得も言われぬ無常観となんとなく仕事に追われストレスを溜め込む日々が続いている。一昨年に続き同世代の人間の死を体験し、さらに自らの体調と無常観を深めることとなってしまった。
 暗くなるつもりもないが、なかなか前向きに…というきっかけが見えてこないところに、この一撃。
 まあ、自分なりに気をつけて、少しだけでもゆったりと構えていきたいものである。

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5/28/2011

先週からレタスの収穫開始

20110523.jpg 東京地方も例年よりずいぶんとはやい梅雨入り。GW以後も涼しい日が多く、ベランダ菜園のヘチマ、ゴーヤほか花の種の発芽具合が思わしくない。

 そういった状態ではあるが、レタスミックスは先週から収穫を開始。主にサラダや付け合せのグリーンとして食卓にのっている。
 なんといっても無農薬であることは間違いない、味も何かと比べて美味いということは言えないが、朝出掛けにちょこちょこっと収穫して水に付けておいたものなので、そこそこ瑞々しいのではとおもいながら食べている。本日も昼にスーパーで買った海老カツの付け合せに…

 その他、二十日大根も順調?に根の部分が太くなって、首の部分の赤い所が土からしっかり見えている。コマツナも快調に育っているようなので、順調にいけば来月の半ばまでには収穫ができるのではと楽しみである。
 しかし、もともとグリーンカーテンをメインとして始めたので、ヘチマ、ゴーヤが不調ではいささか本末転倒なところがないでもない。そのこともあってこの週末は、ゴーヤ・ヘチマの蒔きなおしを予定していたがこの雨、そのうえ台風2号の接近である。

 自然の恵みをいただいて…ということなので、これも自然のなせるワザ、受け入れて来週へ予定を順延といったところ。
 昨年、一昨年とわりと簡単にヘチマ・ゴーヤが育ったのでちょっと甘く見ていたかも知れない。反省である。

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5/16/2011

N.ピゾラット「逃亡のガルヴェストン」その前にI.A.ウルフ「死を騙る男」読了

Galveston.jpg 読書の速度がアップして1週間で2冊読了、少しだけ落ち着いたということか。せっかくの好天ながら事情があって、先週からこの週末まで関西へ帰省中ということもあり、出かけずに過ごす週末となった。
とはいえ、ベランダ農園の手入れはかかさずといったところ。

さて、その読書であるが昨日ニック・ピゾラット「逃亡のガルヴェストン」(ハヤカワ・ポケットミステリ)を読了。巻き返し?に力をいれるポケミスの<新世代作家>3ヶ月連続のラストである。
本作で新ポケミスも10作目のはず、そのうちの6作は読んだことになる(ランキンは、潜行期間の読了)。

新世代作家ということで、本作が当然デビュー。ひとことで言うと「ノワール」。
主人公ロイは、ニューオリンズのギャングで肺の調子が悪く、医者に見てもらったところガンとの診断がくだされた40歳。落ち込み加減のそんな中、ボスの命令で相棒と仕事の現場に赴いたところ…そこに待っていたのは頭への強烈な一撃だった。

気がついてみると相棒は椅子に縛られ、仕事の相手は殺されているし、そのう売春婦がそばで泣いているし、となりの部屋にはもう一人の女の死体…。まあ、ボスの罠にはまったというわけである。
そこで一気に逆襲、襲った男ふたりを殺っちまって、若い売春婦ロッキーを連れての逃避行へでる。その途中で、女は幼い妹ティファニーを連れに行く。
その後は表題のガルヴェストンへ。ガスヴェストンとはヒューストン近くのリゾートアイランドらしい。

そして、そこの安ホテルで姉妹と一時を過ごすことになるが、そこには一癖ある奴らもいたりして…。そしてそして、ロイとロッキーにやってきた結末とは…。
ここまでは、20年前のお話。
その20年後、ガンで死ぬこともなく生き残ったロイにジャガーを駆る男が訪ねてくるが…。

長さも程よく、テンポもよくであという間に読み終えた。20年前の結末から最後の最後に訪れるホロリ、やってくれました。なかなか出来すぎとも言える展開もないこともないが、個人的には<ポケミス新世代>では、一番タイプといえる。

the_calling.jpg そいで、その前に読み終えていたのがインガー・アッシュ・ウルフの「死を騙る男」(創元推理文庫)。この作家は、北米(カナダ人らしい)の文学系の作家の別名ということで、正体はあかされていない。
それでそのミステリー作品の第一弾。61歳の女性警部補ヘイゼルを主人公としたシリーズで本国では2作目もでているとのこと。

彼女が臨時の署長を務める街で末期ガンにで余命いくばくもない女性が殺された。死体の喉は切り裂かれていたのであるが、争った様子はなく、自殺幇助の可能性もないこともなく…。
死体に解き押されていたのは、喉の切り傷だけではなく、歌うように開けられた口など奇妙な細工が施されていた。

ヘイゼルたちは少ない人員でなんとか捜査を進めるが、地元のマスコミやらクーガー騒ぎやらで、すんあんり進まない。そんななか、死期のせまった人物たち殺されていく。犯人の目的は一体なんなのか。
そして、ヘイゼルはこの事件が、カナダ全土の広がる連続殺人であることに突き当たるのであった。

事件の真相とヘイゼルを取り巻く環境と人間模様。読んでいるときは、ストーリーの展開に直接関わってこないんじゃいか…と思うような部分もあるが、これが読み進むと様々な部分を浮き彫りにしていて悪くない。
そこらへんが文学系の作家のなせる技なのか、ヘビーにならず読み応えもありでバランスも悪くない。第2弾が出れば多分手に取るな。

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5/12/2011

G.ブルックス「古書の来歴」読了

People_of_the_book GW開けは、その分を取り返すような形になりがちであるが、今年はそれほどでもない。それもこれも、あの地震の影響があるのだろう。とはいえ、やっぱり落ち着かない状態。
そのうえ、なにやら5月病のように目覚めがすっきりせず、夕方になるとダルい、これがGW直前から続いている。疲れが出てしまっているのか…どこかで一度リセットしたいと思う今日このごろ。

そんなGWの前半にジェラルディン・ブルックス「古書の来歴」(武田ランダムハウス)を読み終えた。本作については、翻訳ミステリー大賞を受賞したことでその存在を知り、「ぜひもの」にランクイン、他の作品を差し置いて最優先となった次第である。

著者は、オーストラリア人のピューリッツァー賞作家とのことで、本作は第3作。各所で絶賛され、女優C.Z.ジョーンズが映画化権を買ったとのことで欧米ではかなりの話題作のようである。

事の発端は、約100年行方知れずになってたユダヤ教の宗教書「サラエボ・ハガダー」(これは実在の稀覯本で同様にユーゴの民族紛争に際にでてきたもの)をめぐる物語である。
古書鑑定修復家のハンナは、この本の修復を依頼されサラエボへ赴く。そこで手にした「サラエボ・ハガダー」の素晴らしさに魅了される。その修復の過程で、蝶の羽、ワインの染み、塩の結晶、白い毛、銀の留め金と遭遇する。
それらを物語の鍵とし、この古書にまつわる人とその時代を描き出していく、まさに「古書の来歴」そのものといっていい。

だだ、これがただの「来歴」の終わらない。この本が作られた経緯のみならず、これを作り、あるいは手にした人物たちが、当時の社会や宗教の波に翻弄されながらもこの「ハガダー」に寄せる想いが描かれている。
個人的なハイライトは、やはり「ハガダー」の誕生を描いた章なのではあるが、どの章も甲乙付けがたいいいお話。読んでいて「ハガダー」目にしたことがなくて、その美しさがわからないのが誠に残念至極といったところである。

就寝前の読書では眠気が早々にやってきて読む速度が思いのほか外上がらなかったが、これは本書のせいではなく、あくまでこちらの体調不良によるもの。
本当に楽しませてもらった。やっぱり「翻訳ミステリー大賞」は伊達ではないということだろう。

最後の最後にミステリーといえばミステリーという展開がひと下りあるが、それもまた悪くはないのだが、それまでのところで充分楽しめる。ないと物足りないかも知れないが、別の形で終わるのもありかも…。
まあ、そんなことも含めて読書の愉しみを存分に味わえる作品であることは間違いない。

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